chapter1LastGuardian目を開けると、地平線が見えた。 夕日が眩しい。 同時に、自分がうつ伏せになっていることが理解できた。 次に、体の各部が悲鳴を上げる。 吹き荒れる血が、痛みを倍増させていく。 しかし、彼の右手にはまだ力がこもっていた。 証拠に、銀色の剣を握り締めている。 ???「俺は・・・・守ったんだ・・・・」 その言葉を残し、彼は意識を失った。 痛み、そんなものは消え去る以前の問題だ。 死ぬことを、彼は恐れなかった。 いや、恐れても無意味だった。 死ぬことを把握して行った戦闘。 それ故の傷。 それ故の周囲に転がる怪物や人の入り混じった死体の山。 それ故の力。 全て、理解できていた。 理解せざるをえなかった。 だから、彼は後悔せずに、息を引き取るはずだった。 chapter1「Truth」 いつもと変わらぬ風景。 爽やかな風が、街を抜け、人の肌へと心地よく当たる。 それに連鎖し、草木が反応して、音を立てる。 そんな通学路を歩く漆黒の髪とは裏腹に真紅の目を持つ少年は歩いていた。 重い鞄を右手に吊るし、肩にかけている。 彼の名前は、"鳳覇 暁"。 神下中学校の一年生である。 真「ちーっす、アキラーっ!」 香澄「おはよう、暁く~ん」 ふと、暁の事を呼ぶ声が後ろから聞こえてきた。 振り返り、暁はその人物に挨拶をした。 暁「よっ、お2人さん」 後ろには、暁の友人である"高田 真"と"青山 香澄"が居た。 暁が少し止まって、2人をまった。 差がなくなると、3人は横一列に並び、一緒に登校した。 ほかにも数名神下中学校の生徒が登校していた。 真「あっ、そうだ暁!この前、いつものゲーセンでな・・・」 何気ない会話を真が始める。 暁と香澄も話しに相槌をいれたりして、少し盛り上がる。 くだらない話、といえばそれで終りだが、友達という実感を沸かせる少ない種だった。 そして、そのまま学校に着き、昇降口へと着いた。 その時、暁の脳に、体に何かがよぎった。 暁「ん・・・・?」 思わず、目を見開いてしまうほどの何か。 しかし、それがまだ理解できない。 今までこんなことは無かった。 だが、思い当たることは1つある。 香澄「ど、どうかしたの?暁君」 いち早く異変を察知した香澄が、調子を伺う。 暁「ん、あぁ大丈夫、なんでもない」 真「あっ!!分かった!!」 真が指を鳴らして、その理由を言いたそうにする。 少しの間をおいて、再び真の口が開く。 真「まさか、ついに暁も恋の病に・・・」 言い終える前に、ボクッと鈍い音が廊下に響く。 幸いその音は生徒群の声にかき消されたが、確実に痛そうな音だった。 音の発信源は、真の頭と暁の拳の衝突。 すぐさま、真が頭を抑えてしゃがみこむ。 暁「真、今後それに類する発言をした場合には、8倍の鉄拳ですので御覚悟を」 真「は、はい・・・・すいませんでした、暁様」 暁(さっきの感覚、戦闘か・・・?) 真の謝罪を聞いている最中、暁は推測を立てる。 先ほど言った、大丈夫なんてのは大嘘だ。 実際は、仲間が窮地に陥っているかもしれない、という緊迫感があった。 しかし、今学校を抜けるわけにはいかないことは、誰より暁が判っていた。 それから、真を許し3人は教室に向かった。 教科書等を机に入れ、少しの余裕を持ってチャイムが鳴り響いた。 すぐに担任が入り、日直が号令をかけて挨拶をする。 再び、暁は先ほどの推測の続きをした。 無論、担任の朝のくだらない連絡事項はちくわ耳で聞き流した。 といっても、朝は至って優しい不良こと高田 真が毎日シャツ出しで注意を受けていた。 心優しいのは称えるべきだが、このだらしない態度がプラマイ0になっている。 真「シャツ出しは男の勲章である!なぁ、男子諸君よ!!」 と、真は席を立ち、担任に反論した。 むしろ、反論というよりは、負け犬の遠吠えに等しいが。 暁「馬鹿言わずにさっさと入れろ! この前みたいになったら承知しねぇーぞ!」 真の真後ろの席に座る暁が、即行で真を沈める。 この前、というのは1週間前のことになる。 同じくシャツ出しで真が注意され、それに反抗。 怒った教師が、突然の全校集会を開く。 しかも、季節は夏であり、体育館での全校集会はまさに地獄だった。 それにもっと地獄を味あわせるかのごとく、その集会は1時間続いた。 さすがの暁もこれには切れた、という話だ。 その二の舞だけは絶対に踏ませまいと、武力行使をする覚悟で暁は言ったのだ。 男子生徒A「そうだぜ~我等の不良高田よ~!」 男子生徒B「また集会持ち出したら喰らすぞ~!」 ノリが良い、というかは不明だが、攻め立てる様子もなくほかの生徒も言う。 無論、どんなことを言おうと、それを実行することはない。 逆に、集会で授業が潰れたことに感謝する者もいたらしい。 真「ほぉ、暁君?それに皆もそう言うか・・・・。 なら仕方ない・・・・なんた、此処にいる鳳覇暁は・・・・」 瞬時、沈黙が流れる。 担任も、黙って真の口が動くのを待っている。 真「な、ななななんとぉっ!恋のや―――ぐはぁぁっ!!!」 再び、言い終える前に鉄拳よりも痛い箒が真の頭に直撃する。 この暁の席は最後列。 よって、少し後ろを向けば、すぐに掃除道具入れから箒を装備することができる。 なにかあれば、これで叩く。 そのことに対し、暁はつくづく一番後ろの席でよかったと感じている。 暁「つべこべ言わずにシャツ入れろ、真」 真「ぐぅ・・・っは、はぁい・・・」 痛さに呻きながらも、よろよろと椅子に座り、シャツを入れた。 一件落着、暁も箒を掃除道具入れに戻す。 その時、また妙な感覚がよぎった。 今度は誰にも感知されなかったものの、さっきより凄い感覚だった。 鳥肌が立つ。 暁(っ・・・・なんだ、なにが起こってるんだ・・・・?) ふと、窓の外を見た。 空は相変わらず青く澄み切って、雲が点々と浮かんでいた。 しかし、この世界のどこかで、何かが狂っていることは推測できた。 世界の狂い。 その狂いの一部分に、暁はいるのだから。 とりあえず、放課後に探索をかけようと決意し、椅子に座り直した。 ホームルームの次は、真のシャツ出しの有無に関係ない全校集会。 あらかじめ、昨日から連絡は受けていることだ。 内容は文化祭云々。 本来は体育館でやるべきなのだが、不運なことに改装中のため運動場で行われた。 香澄「中学校の文化祭ってどんな感じなんだろ?」 暁「さぁ?いたって普通なんじゃないのか?」 真「あまい・・・あますぎるぜ2人とも!! 中学の文化祭、そう!それは女をナン・・・・グホッ!!」 いつもの鉄拳が、真頭上に落ちる。 所有者暁の意図的な行動である。 そして、真に一言言おうとする。 暁「だいたい、お前は小学校の頃からなんでそ―――ぐっ!!!」 耐え切れない感覚が暁を襲う。 たかなる心臓を押さえ、暁は廊下に跪く。 暁(また・・・何だ、何があるっていうんだよ!!) 香澄「だ、大丈夫暁君!?」 真「おい、お前朝っぱらからどうした? 保健室連れて行こうか?」 2人とも心配そうに見つめる。 いきなり跪く暁の悲痛を訴える姿に、周囲の生徒も同じようにそわそわして暁を見た。 暁「いや・・・ほんと、大丈夫・・・だから」 壁に寄りかかりながら、暁はゆっくりと立ち上がる。 すっと、真が暁に肩を貸す。 これが、優しい不良高田 真である。 真「マジ大丈夫か?」 暁「あぁ、サンキュー真」 暁(感覚が大きいってことは、次は俺ってことか・・・。 敵はソーサラーの可能性大っつーわけか) 心配する人には申し訳ないが、暁は推測を続けた。 真の肩には昇降口までお世話になった。 全校集会は始まり、教頭の無意味1人トークが始まった。 無論、暁は聞く気0%である。 そんなことより推測のほうが大事である。 いろいろと頭に浮かんでは消え、浮かんでは消えての繰り返しだ。 ふと、真が教頭の禿頭の光具合をみて、にやりと笑う。 それを叱りに、担任が体操座りをする列に入る。 その時、空気が振動した―――。 その振動に気づいたのは暁だけだった。 振り向いて、その振動の発信源を確認する。 改装中の体育館からだった。 そして、体育館から、数十メートルはある運動場まで一気に埋め尽くす赤い光が放たれた。 それは、地面を明るく照らし、一般人には理解不能な文字と線が入り混じる。 まさしくそれは、魔法陣と呼べるものだった。 その魔法陣が展開された空間が立体の半球体となる。 まさに、透明の膜を張った戦闘区域となった。 魔法陣が展開されて1秒弱。 周辺には暁以外誰もいなくなった。 赤い光を放つのは戦闘型魔法陣。 邪魔な人間のみを、一時的にこの世界から除外する。 殺す、と云うわけではなく、ただ除外する。 用件が済めば、魔法陣消滅とともに、元どおりになる。 暁「来るならこいっ!!」 暁は誰もいなくなった広い運動場に立ち上がり、さけんだ。 魔法陣を展開したと云うことは、発信源となる者が誰かいる。 それに、戦闘型魔法陣、一騎打ちを仕掛けるということに違いない。 ???「威勢がいいな、レドナ・・・」 突然、黒いコートを身にしっかりと着けた男が現れた。 フードまで被り、光を遮断しているようだった。 暁「戦闘型魔法陣の展開っつーことは、タイマン張ろうって魂胆だろ!」 相手は確かに名前を"レドナ"と呼んだ。 しかし、それには暁が答えた。 つまりは、レドナ=暁と云うことである。 ???「ふん、ガーディアンを狩るのが我等の使命である事を忘れるな・・・」 先手は相手側。 コートから右手を伸ばす。 一瞬の青い光とともに、その右手には先端が2つに分かれた槍が握られていた。 相手の扱う武装、武器である。 武器の具現化と同時に、コートの男が槍をレドナに向けて突き刺す。 咄嗟に後ろにジャンプし、レドナは攻撃をかわす。 次にレドナは、両手を天にかざす。 赤い光が両手に現れ、その光は、さっきの槍のように武器の形になる。 光が弾け、レドナの使用する武器、2本の大剣が具現化される。 本来、この大剣は重量的にも両手で使用するのがベストだ。 しかし、レドナはあえて、片手でそれを持ち爆発的な破壊力を保持している。 本人はある人物を見習って、自分も大剣を2本扱っている。 それが、相手側から恐れられる理由の1つだった。 "漆黒の大双剣"それが、彼の異名だった。 戦闘開始から5秒が経過した。 2手目も黒いコートの男の槍から繰り出される刺突。 今回はレドナは回避せず、左手の大剣で攻撃を受け止めた。 刃同士が当たり、赤い火花と鈍い金属音を立てた。 そのままレドナは右手の大剣を振るい、カウンターをかける。 しかし、相手も並の雑魚ではない。 すぐに攻撃を察知し、既に回避行動を7割がた終らせていた。 だが、その回避行動は、ただ攻撃を避けるという理由だけではなかった。 レドナの後方に神速で相手が回り込む。 レドナ「しまっ―――」 言い終える前に激痛が背部に走る。 振り返りざまに見た後方には、まだ槍の残像が弧を描いていた。 ???「攻撃魔法、アグレッシブ!」 レドナ「うぐっ!!」 倒れざまのレドナに再び攻撃が入る。 黒いコートの男の左手に赤い魔法陣が描かれる。 すぐにそれは弾け、魔力の結晶と化した4つの弾丸となり、レドナに襲い掛かった。 全弾回避することが出来ず、さらに数メートル弾き飛ばされる。 運動場の砂が舞い上がった。 ???「たしか、1つのテリトリーにガーディアンは5人だったな」 唐突に黒いコートの男がレドナに尋ねる。 レドナ「それが・・・どうかしたのか」 吐血を腕で拭きながら、レドナが疑問で返す。 この間に、レドナは持っていた大剣を握りなおした。 ???「いや、お前さえ倒せば、このテリトリーは終わりだなと思っただけだ」 レドナ「っ!? 他の4人は全員殺したっつーのか!?」 この力であれば無理も無い、と多少は思ったが4人全員撃墜されたとなると恐ろしい。 と言うことは、朝から続いていたあの妙な感覚はガーディアンの死を意味していたことだろう。 だが、そう考えると、4人で4回のはずが3回である。 つまり、1人は生き延びているということだ。 ???「今更気づいたか? ついさっきも銃を持った少女を異界へ送ってやったのだが・・・」 レドナ「・・・・っ・・・・っ!!」 レドナは奥歯をかみ締めた。 同時に、心の奥からごぽごぽ湧き上がってくる怒りをこらえた。 ???「おや、そこまでなるほど嬉しかったか? はっはっは!!」 レドナ「っ!!てっめぇぇぇぇぇっ!!!!」 淡々と話す黒いコートの男。 その言葉に、ついにレドナが吹っ切れた。 狂気の叫びを上げ、両手に握り締める大剣を振り上げ、突撃する。 吹き飛ばされた数メートルの差をわずか2秒で縮める。 黒いコートの男の頭上、日の光で光る2本の大剣。 レドナ「うおおおぉぉぉぉっ!!!」 ガツン、と鈍い音が2人しかいない戦闘区域に響く。 レドナの強烈な斬撃は、黒いコートの男の持つ槍で簡単に防がれた。 ぶつかり合った衝撃で火花が大量に散り、本当に空気の振動が見えるほどだった。 しかし、黒いコートの男は平然としている。 ???「こりない様だな、アグレッシブ!!」 レドナ「防御魔法、イスィルター!!」 先ほどの魔力の塊と化した弾丸が再び黒いコートの男から放たれる。 しかし、レドナも最速である防御魔法を発動する。 左手の大剣の先に淡い緑色の魔法陣が展開する。 レドナと黒いコートの男の間でそれはアグレッシブを受け止めた。 イスィルターの魔法陣の消滅に加え爆風で空中にいるレドナは怯んだ。 その隙を突いて、槍の刺突。 しかし、その攻撃は途中で中断された。 槍に3発の弾丸が当たり、軌道が反れたのだ。 その弾丸が放たれた方を振り向く。 ???「おまえ、まだ生きていたのか・・・」 運動場から見える校門の上に、別の学校の制服を着たレドナと同年代の少女がいた。 しかし、その制服も体も傷だらけで、ボロボロだった。 その両手には、2丁の銃、双銃を所持している。 銃口は槍に向けられたままだった。 レドナ「エンネ!!逃げろ、今のお前じゃ無理だっ!!」 その少女に向かってレドナは忠告を叫んだ。 しかし、応じる気はさらさら無いらしい。 エンネ「レ・・・ドナこそ・・・・にげ・・・て」 レドナ「何言ってんだ!!俺はまだやれる!!」 やっと発することの出来る言葉で、エンネはレドナに言った。 ???「女の子のせっかくの好意を無駄にするようだな、レドナ」 レドナ「・・・っ!?」 いつの間にか、黒いコートの男の右手が、レドナの腹部に突きつけられていた。 掌を開いて、腹部を掴むようにつきつけている。 そして、その手から濃い緑色の魔法陣が描かれる。 ???「今の間、術の発動時間に使わせてもらったぞ・・・。 拘束攻撃魔法、フィオキス!!」 有無を言う前に、レドナの体が思いっきり後ろに吹っ飛ぶ。 数十メートル離れたフェンスに叩きつけられる。 "拘束系魔法"の力はこれでは済まなかった。 両手両足に魔法陣がかかり、身動きが取れなくなる。 ここまでが、"拘束"の力。 次に来るのは、"攻撃"だった。 手を突きつけられた腹部に緑色の魔法陣が現れる。 そこから、1メートルほどの緑色のつららのような結晶体が出てくる。 しかもそれは、レドナの腹部を貫通して、である。 レドナ「ぐあああぁぁぁぁっっ!!!!」 激痛以上の痛みがレドナを襲う。 目をかっと見開き、天に向かって狂気の叫びを上げる。 腹部からは真紅の血が結晶体を通って流れた。 すぐに、足元が血の海に染まる。 エンネ「レド・・・・ナを・・・・よくも・・・!!」 疲れきって、ボロボロな体で、なおも銃を黒いコートの男に向かって乱射する。 自分に確実に当たる弾丸のみを、槍ではじき返す。 距離はあっと言う間に縮まった。 そして、槍の先端がエンネの腹部を貫通する。 もう叫びも上げられないエンネ。 それをあざ笑う黒いコートの男。 最後に、苦痛に耐えながらも、レドナを思う一言をエンネは呟いた。 もちろん、声は出ない。 だが、レドナは読唇術でそれを察した。 そして、その言葉を呟いた。 レドナ「・・・・ラスト・・・・ガーディアン・・・」 瞬間、激痛でもなく、快楽でもない何かが襲ってくる。 心臓の鼓動が張り裂けそうな何か。 左手に真紅の見たことのない魔法陣が浮かび上がる。 そこから、熱が魔力があふれ出す。 レドナ「うぉぉぉぉぉっ!!!!ラストッ!ガァーディアァーーーーンッ!!!」 さっきとは打って変わって、大空目掛けてレドナは叫んだ。 左手の真紅の魔法陣が最大限に輝きだす。 その光は赤からピンクへ、白へと変わっていく。 光はレドナの神下中学校の制服を弾いた。 そして、レドナに新たな服を与えた。 脳内で、その存在を覚えこまれた知識が思い出す。 総称名はリーンジャケット。 ラストガーディアンが身に付けることのできる戦闘防護服。 形は様々で、自分の心底をそのまま具現化し、服とする。 それが、今のレドナの姿。 漆黒の黒衣、黄色いラインと、赤いラインが所々入っている。 そして、レドナのリーンジャケットにはシルフィーゼという固有名詞が与えられた。 いつの間にか、腹部を貫通していた結晶体は消滅している。 回復魔法を発動してないのに傷も完全に修復されている。 ???「ほぉ・・・・実物を見るのは初めてだ・・・ ラストガーディアン」 黒いコートの男が珍しいものでも見るように言う。 実際のところ、本当に珍しいものであるのだが。 黒いコートの男は再び槍を握りなおした。 少しではあるが、眼前の敵に脅えていた。 覚醒した、レドナ・ジェネシックの存在に―――。 レドナ「おまえを・・・・・ぶっ殺す!!」 地面を蹴り、飛翔した。 持っていた武器が変化する。 黒い光を放ち、それは漆黒の両刃剣となった。 刃に赤いラインと、文字が刻まれている。 その剣を両手で握り、黒いコートの男に突撃していった。 To be next chapter |